帰国にあたって--お得意様文化@イタリア:"Ciao bella! 10euro a Lei!" ― 2010/08/20

店に入ったとたん、店員のほうから "Ciao bella(bello)!(やぁ、美人さん/ハンサムさん)" と声をかけられる日が来る。これは、お得意様として認められた証拠である。例えば、複数の店員がいて、たまたま自分を覚えてくれている店員が他の客の相手をしているときなど、その店員がこの一声をかけてくれることで、その客を初めて見かけた店員も「この人はお得意様なんだ」とわかるという効果もある。
一番わかりやすいところでは、おまけ。”10euro a Lei!”と「『あなたには』10ユーロ!」という言い方をされるときには、まちがいなく表示されている値段より安い値段である。またすべての商品が店頭に出ているわけではない個人商店では、いつも買うものや好みをおぼえてくれているので、自分で商品を選ばなくても手ごろな品を奥から出してくれる。


行きつけのお店の人たちには、2年に満たない滞在期間であるのに、家族のように接してもらったり、困ったときには店舗という立場を超えて助けてもらったり、本当に毎日の生活を支えられてきた。長い店では1ヶ月以上に渡る長期閉店期間のバカンツァに7月からはいっているため、7月下旬から徐々にお世話になったお店での買い物の際には帰国の挨拶をしてきている。
最初は「お得意様文化」に対して、「一見さんを差別してこんな扱いをしたら、将来の顧客候補が逃げるだけで結局損なのに」「お得意様に特別扱いをしても、だからといってたくさん買うわけでもない品目なのに」と思うこともあったが、わかってくると、決して損得で「一見さん」「お得意様」を分けているわけではない。もう帰国する、将来の儲けに繋がらない私に対してのこんなサービスを見てもわかるように、顧客と築く一対一の人間関係を大切にしているのだ。

城砦に住む@マルケ州:La famiglia nel muro@Monteprandone ― 2010/08/17

国境の町でのコンサート@トリエステ:il Concerto dell'Amicizia di Riccardo Muti@ Trieste ― 2010/08/02
トリエステは、アマルフィやジェノバ同様、海に流れ込むような急な坂道の下に港が広がる港湾都市である。中心街から、途中でケーブルカーをつなぐハイブリッド方式のトラムで丘の上に上ると、この町が一望できる。

トリエステが「かつてオーストリアだった」といわれるように、クロアチア、スロベニアは「かつてイタリアだった」といわれ、公用語ではないものの地域によりイタリア語が通じることからイタリア人の旅行先としても人気がある。今年は特に、クロアチア観光局のキャンペーンもあり、知人のイタリア人の中でも2家族がバカンツァをクロアチアで過ごしている。「クロアチアに対しては、正直複雑な気持ちがある。が、それを払拭するためにもあえて行くことにした」と、そのうちの一人が言っていたのが印象深い。
マフィアとシチリア:La Mafia e Sicilia ― 2010/07/19

映画『ゴッドファーザー』で、家族を殺された子供が単身で、そして身一つでアメリカに渡り、出身地の名前が誤って苗字として登録され、後のドンの名となったことで有名なコルレオーネCorleone村 。この村は、実際に数多くの大物マフィアを送り出している。本当にこの道でいいのかと不安になるほど、いけどもいけども周囲には地平線まで農地以外何もない。そのうち山の上に町が見えてくる、それがコルレオーネ村であった。が、マフィアで有名になることは、この村にとって不本意であり、映画でそのことが世界的に知られてしまった後、一時は村の名前を変えようという動きさえもあったという。どうやらツアーもあるようだが、訪問した日は外国人は他におらず、村を歩くと、周囲の、車の運転手からさえも事故が起こらないか心配になるほどの視線を浴びた。この立地条件を直接見て、村の雰囲気を感じたことで十分だと、この村を後にする。

その日宿泊した、パレルモ近くの海岸沿いにあるカステッランマーレ・デル・ゴルフォCastellammare del Golfo は、やはりアメリカンマフィアの出身地として有名である。禁酒法時代の1929年、ニューヨークで起きた組織間の紛争は出身者の多さからカステランマレーゼ戦争(The Castellammarese War)と呼ばれた。

ミラノへ帰ろうと空港に向かっているとき、高速の入り口で警官に止められた。10分だけ待てとのことだが、理由はいわない。数分後に封鎖は解除され無事に空港に着く。翌日にシチリア出身の人に聞くと、以前、空港に向かう反マフィアの判事を数百キロの爆薬を使って爆殺した事件があり、市民が巻き込まれないよう、重要人物が高速を通過する際には、他の車が入らないようにしているという。パレルモの空港名、AEROPORTO DI PALERMO "FALCONE E BORSELLINO"は、マフィア撲滅に尽力したその判事の名前がつけられている。
暑さ対策@ミラノ:Che' Caldo!!@Milano ― 2010/07/07
今年は熱波で、北イタリアでも毎日のように30度を越し、都市によっては40度近い気温が続いている。テレビでは警報を出し、子供とお年よりは13時から18時は外出しないようにと呼びかけている。

もともと30度を越すことがほとんどない地域であったので、昨今の温暖化で空調が徐々に普及してきたという程度。また、何世紀も前の建物を使っていることが珍しくないイタリアでは、建物に穴を開けられない、あるいは構造上設置が難しい、電気の配線や容量の問題で空調をつけられないケースもある。例えば今住んでいる建物は、防犯上窓を開けっぱなしに出来ない1階(こちらでいうPiano terra)と、病人等を抱えている等で許可を得た家以外は、建物に穴を開けるエアコンの設置が禁止されている。
こちらにきて、最初違和感があったのが、暑い日に、特に日が当たっている窓は雨戸を閉め切っている家が多いことだ。古い建物では木の、新しいものではシャッター状の雨戸:le tappalleraが、各窓に防犯もかねて設置されているが、それを閉めて涼をとっている。先日訪問した友人の家でも、緯度が高く9時過ぎまで明るいため日本と比べて遅い8時過ぎの夕食時にもまだ太陽がさんさんと照っている中、「今日は暑いから、tappalleraを閉めましょう」と早速閉めていた。
こちらの建物は石造りで断熱性が高く、また空気が乾燥しているため、窓を閉めて外気を入れず、雨戸を閉めて直射日光をさえぎることが一番涼しいとのこと。実際暑い外から、アパートメントの入り口のドアを開けてホールに入ると、閉鎖空間なのにひんやりと感じる。日本のように「風通しをよく」と、窓を開けると外の熱気が入ってきてしまい、かえって暑いのだ。最初は締め切った暗い部屋に入ると反射的に蒸し暑いように感じたが、慣れてくるとちゃんと涼しいことがわかる。ただ、今年はやや蒸し暑く、日本式のほうが涼しく感じることもあるから難しい。
結局、閉塞感がいやなこともあり、窓を開けて扇風機でこの暑さをやり過ごしている。マルタで、昔は窓の近くに水が入った素焼きの壷をぶら下げて室内の温度を下げていたと説明があったのを思い出し、窓の近くの風の通り道に洗濯物を干してみると、かなり楽になる。

レストランやカフェでは、外のテラス席のほうが室内より料金が高いこともあるほど、日照時間が短い冬に備えて太陽を浴びたがるお国柄。ここでも、外の席では霧状に水を噴射したものに扇風機を当て、気化熱を利用して少しでも涼しくしようとしている。冷房設備がない、地下鉄の駅もしかりである。
空調機の販売は、日本の企業が活躍しているため、日本と同じフレーズを使ったテレビコマーシャルをやっている。「この、涼しさや湿気のなさを表現した日本語の語感がイタリア人にも分かるのだろうか?」と思いながらも、懐かしく感じるとともに、ふとどの国にいるのかわからなくなる。
四大海洋共和国レガッタ@ジェノバ:Regata delle Antiche Repubbliche Marinare@Genova ― 2010/06/30
かつて四大海洋共和国として、地中海における制海権を保持していたこれらの4つの「国」。それぞれが時代の流れの中で衰退し、また大航海時代の到来やナポレオンの台頭とともにその力を失った。が、歴史の中でひとつの時代を作り上げたその誇りは、今も海に生き続けているのである。
毎年6月、この「4カ国」によるレガッタレースが盛大に行われる。1956年から毎年4都市持ち回りで実施されているが、2010年は6月2日(共和国記念日)にジェノバにて行われた。

レースに先立ち、午後から、昔の港を再開発した地域 Porto Anticoから、レースが行われる新港

パレードを追いながら、人々はレースのゴール地点である新港に移動。夕方5時半、レースが始まり、埠頭を埋め尽くす人々に向けて2キロの距離を4艘のレガッタが疾走する。今年の順位はピサ(赤いワシ)・アマルフィー(青いペガサス)・ベネチア(緑のライオン)、主催「国」ジェノバ(白いグリフィン)の順となった。

イタリア語試験 CILS:Certificazione di Italiano come Lingua Straniera ― 2010/06/16
6月10日、イタリア語試験であるCILS* を受験した。この試験は、欧州共通の言語レベル基準:QCER**に基づいて作成された、イタリア政府の認定を受けている語学試験のひとつである。外国人、またはイタリア国外に住むイタリア系2世3世などが対象であるが、受験に当たって特に学歴要件等はなく、希望者は身分証明書を提示することで受験登録できる。レベルは以下のように分かれている。
基礎レベル(Basic user):
初級はA1,A2の2レベル。イタリアに住む成人、イタリア国外に住む成人、8-11歳の児童、12-16歳の生徒の4種類の対象ごとに各レベルがさらに分かれる。
実用レベル(Independent user & Proficient user):
レベル1(B1)、レベル2(B2)、レベル3(C1)、レベル4(C2)の4段階に分かれている。レベル2あるいはそれ以上の級に合格するとイタリアの大学に入学する際に語学力試験が免除され、イタリア企業への就職でもこの級が採用の条件になることもある。またレベル4はイタリア人でも合格できない人がいるという。
A1,A2を取得しても「初級レベルのイタリア語力しかない」ということになるし、また授業で文法的にはB2レベルまで終わっている。急な渡航になにも準備をする時間がないまま、イタリアに着いたときには「こんにちは」はわかっても「今晩は」「さようなら」は知らないというレベルからのスタートだったものの、今回B1を受験した。試験は、リスニング(Ascolto)、読解(Comprensione della lettura)、文法(Analisi delle strutture di comunicazione)、作文(Produzione scritta)、スピーキング(Produzione orale)の5つの科目からなる。それぞれの科目が独立して合否が出て、1年間そのスコアが有効であるため、今回不合格になった科目があっても、それだけを1年以内に再受験することが出来る。
*Certificazione di Italiano come Lingua Straniera dell’Universita per Stranieri di Siena
シエナ外国人大学主催の外国語としてのイタリア語検定。
略称は「チルス」と読む。
**Quadro Comune Europeo di Riferimento per le Lingue
欧州評議会のヨーロッパ言語共通フレームワーク
「誰がうちを掃除するの?」@ミラノ:Chi purisce casa?- I Stranieri e le Classe sociale ― 2010/06/01

このコミュニティーでの外国人の地位と関係が、だんだんとわかってきた。
ミッレミリア@ブレーシャ:Mille Miglia@Brescia ― 2010/05/10


ヴェネツィア造船所の「灰と雪」:Arsenale & "Ashes and Snow" @ Venezia ― 2010/05/06










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