【TV】SHOGUN, il Grande Samurai2010/01/07

*原語で見ているため、内容を誤解している可能性があります。ご了承ください。

イタリアの国営放送RAI Unoの"SuperQuark" という番組で、年末年始にかけて“nel segno del comando” (指揮官の軌跡:拙訳)という3回シリーズの特番が放映された。そのうち1回を使って徳川家康が取り上げられた。(1月5日20:10-23:10放送分)

番組前半は、関が原の戦いを中心とした家康の生涯と、当時の日本における将軍と天皇との関係や侍制度、刀や鎧兜の持つ意味を日本での現地ロケをはさみながら解説。後半では急激な技術発展を遂げた日本の中でどのように伝統が生きているか、東洋学を専門とする教授の意見をまじえながら、実例として皇室制度、剣道等の武術、歌舞伎などが取り上げられた。単なる「侍」の解説番組ではなく、どのような文化・思想が「将軍」「侍」という制度の背景にあるか、侍の精神が現代の日本にどのように生きているか、日本自体の解説番組である。

10-20代の若い世代の刀鍛冶や歌舞伎役者、舞妓たちを短い時間ながら丁寧に追い「現代の他の同世代の若者とはまるで異なる生活を強いられることになることをどう感じるか」というインタビューが行われていたのが興味を惹いた。彼らが、親や先輩の姿を見ながら伝統に対する強い誇りをはぐくみ、それを継承していくことに意欲を持って取り組んでいる姿がしっかりと映し出される番組の姿勢に、家業や職人技が重視され、敬意の対象となるイタリアの文化を感じる。

以前アメリカ人に、伝統芸能を誇りを持って継承する、ある日本の若者の話をした際には、「子供の頃から『親のやっている伝統芸能は価値あることだ』と洗脳されているから、『誇りに思う』などというのだろう。親の仕事の都合で青春を犠牲にされ、職業選択の自由もない人生を強いられるのか。」との否定的な意見であった。これがアメリカ人一般の意見とは簡単にいえないが、上昇と変化が高く評価され、なによりも自由を尊重する風土のアメリカで、このような視点の番組を製作することは、少々勇気がいることかもしれない。

番組は、「侍の忠誠心は日本人の勤勉さに今も残る。これは会社や社会に対象をかえた忠誠だ」としながらも、現在の日本が経済的にもまた伝統という面からも危機的状況にあると警告する。伝統があちこちに様々な形で根付いている日本の中で、それらに背を向けるかのように西洋化し、経済発展至上の価値観で育った都会の若者の姿を映し出しながら、今後の日本像について、次のように締めくくられた。

「若者が問題なのではない、むしろ彼らが希望である。彼らがその柔軟性で危機的状況を乗り越え、これからの日本を支えていく。日本は今後、世界のモデルケースとして評価される発展を遂げるであろう」